税理士と公認会計士の違い
1 税理士と公認会計士の独占業務
税理士も公認会計士も会計の専門家ですが、この二つは異なる国家資格であり、法律上、それぞれの独占業務が決まっています。
税理士の独占業務は、税務書類の作成、税務代行、税務相談です。
公認会計士の独占業務は、財務諸表監査です。
それぞれの独占業務は、その資格がないと行うことができません。
これらの独占業務から、税理士は税務の専門家であるのに対し、公認会計士は監査の専門家であることがわかります。
2 税理士と公認会計士の仕事内容
それでは、仕事内容としてはどのような違いがあるのでしょうか。
税理士は、顧問であれば、継続的に税務相談にのり、決算期には決算書を作成し、税務申告を行うことが主な業務となります。
公認会計士は、できあがった決算書が、会計基準・金融商品取引法・会社法等に基づき適正に作成されているかをチェックすることが主な業務となります。
公認会計士は、企業の作成した財務諸表を監査するのが仕事であるため、主な顧客は上場しているような大企業となります。
会計監査が必要となるような会社は少なく、中小企業が公認会計士に依頼することは基本的にないといえます。
他方、税理士は、個人事業主や中小企業の税務相談や税務処理を行うことが多いです。
3 税理士と公認会計士のどちらに依頼すべきか
税理士は監査業務を行うことができないため、監査が必要な上場企業であれば、公認会計士に依頼する必要があります。
公認会計士は、税理士登録をすることで税務業務を行うことができます。
監査業務の必要がない中小企業の場合は、税理士登録をしている公認会計士でも、税理士でも、どちらに依頼することもできます。
ただし、異なる国家資格であることからわかるように、税理士と公認会計士は、別の業務分野を得意としているため、通常の税務処理を依頼する場合には、税理士に依頼されることをおすすめします。
万が一公認会計士に依頼するとしても、税務業務に慣れており、経験が豊富な公認会計士に依頼するようにしてください。