名古屋の税理士なら【税理士法人心 名古屋税理士事務所】

税理士法人心

所得控除や税額控除を受けるには

  • 文責:税理士 内堀昌樹
  • 最終更新日:2024年6月27日

1 所得控除とは

所得税の計算の際には、年間の収入から所得控除額を差し引いて算出される課税所得金額に税率をかけて税額を出します。

所得控除というのは、税率をかける前の課税所得から差し引かれる金額のことをいいます。

代表的な控除としては、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、医療費控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄付金控除などです。

社会保険料控除では、支払った国民健康保険料や国民年金保険料といった社会保険料の金額が控除されます。

医療費控除では、その年に支払った医療費のうち、一定金額を越える部分について控除され、上限は200万円です。

生命保険料控除では、その年に支払った生命保険料、介護保険料、個人年金保険料から一定の計算により算出された金額が控除されます。

地震保険料控除も生命保険料控除と類似の控除となります。

寄付金控除では、ふるさと納税の場合は寄付した金額から2000円引いた金額が控除されます。

寄付金控除の上限は、収入の金額や家族構成によって変わってきますので、計画的にふるさと納税を行う必要があります。

参考リンク:国税庁・所得控除のあらまし

2 税額控除とは

課税所得金額から各種所得控除を差し引き、税率をかけることで所得税の金額が算出されます。

そして、算出された税額から、さらに控除できる仕組みを税額控除といいます。

税額控除には、配当控除や外国税額控除といった実質的には二重に課税されている状態を防ぐことを目的とした控除があります。

他方、社会政策的に住宅ローンを推奨するために、住宅借入金等特別控除、いわゆる住宅ローン控除といった制度もあります。

参考リンク:国税庁・税額控除

3 所得控除と税額控除の違い

所得控除により減額される税金は、所得控除そのものの金額に税率をかけた後の数字となります。

所得控除の金額分、税金が少なくなると勘違いしている方もいらっしゃるので注意が必要です。

例えば、所得が500万円の方の税率は、20%で、支払う所得税額は約58万円です。

所得控除が20万円の場合には、480万円が所得となり、4万円、つまり、20万円に20%を掛けた金額について、税金が抑えられます。

税額控除の場合は、約58万円の所得税額から直接差し引かれ、支払う所得税額は約38万円となります。

このように、所得控除と税額控除は、似ているようで全く違う制度となります。

例えば、年金生活者の方が確定申告を行う理由の一つに医療費控除がありますが、これは所得控除にあたります。

医療費控除は、10万円を越える部分が所得控除の金額となります。

そして、所得控除ができたとしても、年金生活者はもともと税率が低い方が多いです。

最低税率の5%が適用される所得帯の方であれば、10万円を越えた金額の5%しか税金が少なくなりません。

たくさんの医療費の領収書を集め、時間を計算したのにあまり税金が戻ってこないと思っている方も多いと思いますが、この所得控除の仕組みを理解するとその理由もわかると思います。

4 税額控除や所得控除を受けるには

税額控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

確定申告の流れについては、こちらをご覧ください。

会社員の方にとって、所得控除の適用を受けるためには、確定申告が必要な控除もあれば、必要のない控除もあります。

例えば、基礎控除は確定申告の必要がありませんし、地震保険料控除、生命保険料控除等は年末調整をしていれば確定申告で行う必要がありません。

その一方で、医療費控除は確定申告が必要となります。

他にも、住宅ローン控除は一年目だけ確定申告が必要となり、二年目以降は年末調整で控除の適用を受けることができるため、確定申告は必要ありません。

確定申告が必要かどうか、ご心配な方は税理士にお気軽にご相談ください。

税理士紹介へ

スタッフ紹介へ